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2022.12.09

デザイナー的フォントランキング part 2(日本語フォント編)

デザイナー的フォントランキング part 2(日本語フォント編)

chocolate.でよく使う日本語フォントを
検証してみました!

どうもこんにちは!堀越です。
前回欧文フォントランキングをやったので、今回は日本語フォントランキングを紹介したいと思います。日本語フォントには大きく分けてゴシック体と明朝体があるのですが、2つまとめて5個選ぶとなると全然絞れないので、今回はゴシック編と明朝編に分けて紹介していきます。(ここではDSフォントなどのディスプレイっぽい書体は除いています)

ゴシック体編

No.5 秀英角ゴシック銀

普段の仕事では滅多に使わないんだけど、使わないんだけど……個人的にすごく好きな書体です。かっこいい。秀英明朝の骨格を残しつつ、シャープに締まったかなが落ち着きとクラシックさを感じさせます。こういうちょっと歴史を感じる書体ってツボなんだよなぁ。まぁ、あまり使わないんだけど。

フォント使用例

No.4 ゴシックMB101

どっしりした骨格でとにかく強めのレイアウトにしたい時に大活躍。ただ太いとかでかいとかで終わらないエレメントの流れが、書体に勢いを含ませてくれているようです。ウエイトも幅広く使い勝手がいい。てか結局日本語書体はここがポイントになってきますね。広告のキャッチコピーからエディトリアルの本文中の見出しにも使える幅広さ、頼りになります。

フォント使用例

No.3 こぶりなゴシック

文字通り小振りでフラットな書体。かわいい印象にしたいときなどによく使います。文字間あけて使ったりすると上品な雰囲気も出ますね。chocolate.では本文組はゴシックなら中ゴかこぶりなか、というくらい定番化している書体で、合成フォントのベースとしても使います。個人的にはDINとかAvenirとの相性がいいなぁと思って組んでいます。

フォント使用例

No.2 見出しゴMB31

デザイナーになってから一番使ってるんじゃなかろうか……と思うくらいによく目にするフォント。広告のキャッチや雑誌の見出しにとにかくいろんな所で目にします。ややボディが小さく、「見出ゴ」というわりに強さはそんなにありませんが、オーソドックスなデザインが落ち着いた印象を与えてくれます。

フォント使用例

No.1 A1ゴシック

「昔B1ゴシックっていうかっこいい書体があってさ〜」
と、いつだったかADの汐月と書体の話をしているときに、A1明朝のディティールの話からついでで話してもらえて知った書体がありました。ノスタルジーな書体に目のない私。さっそく検索すると「太明朝体A1と同じ頃に製作された角ゴシックのオールドスタイル」だと。写植時代に一世風靡したらしいけど悲しいかなデジタル化されていないようなので実務では使えないかー残念。と思っていた矢先に登場したのがこの「A1ゴシック」ですよ。いやぁ色めき立った。広告業界が一気にこの書体で溢れたのをよく覚えています。
ディティールは個人的にはB1ゴシックの方がどしっとしていて(少し明朝のようなダイナミックな筆感も残りつつ)好きだけれど、A1ゴシックもややフラットではありますが、A1明朝の墨だまりを引き継ぎ、エッジを丸めてオールド感を出している!しかもウエイトがLからBまである!1番太いウエイトでも丸みのあるデザインなので、そこまできつい強さが出ないのが逆にいいと思います。いつかB1ゴシックもデジタル化してくれたらなあ。。。

フォント使用例

明朝体編

No.5 秀英五号

秀英明朝の中でもバランスのいい五号。毛筆の筆運びがしっかり感じられる、味わいのある仮名です。秀英の明朝は人を選ぶかもしれませんが、私はこういう写植を感じるノスタルジックな書体が好きなので使える時あらばチャレンジしています。たまに「和風過ぎる」とNGくらうこともありますが(泣)chocolate.ではリュウミンの漢字と組み合わせた合成フォントとして使うことが多いですね。

No.4 游築五号仮名

築地系の仮名書体。秀英ほどクセがないので結構女性誌で使用することが多いです。明朝らしいしとやかなエレメントで、他の明朝にありがちなイヤなかたさがなく、程よく筆感も残っている。chocolate.ではもうこれが明朝を選ぶ際の基本形になっています。もともとはヒラギノ明朝に合わせるために作られたものらしいんですが、弊社ではリュウミンとの合成フォントで使用することが多いです。というか仮名に対して漢字はそれほど書体の表情の差が出ないので、凡庸性の高いものとの組み合わせにしてるってところですかね。なんにせよバランスのいい美しい書体です。

No.3 丸明オールド

本文ではあまり使用しませんが、見出しやリードなどで雰囲気を作れる書体です。ウロコが丸になっている明朝体で、しとやかで優しい印象を与えてくれます。よく女性向けのスキンケアのパンフとかでも使用するし、広告でも良く使われるので、たぶん誰もがどこかで絶対見たことあるはず。文字間をあけることでゆったりした優雅な表情を見せてくれます。

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No.2 游築36ポ仮名

游築五号に続き、築地系の仮名書体がランクイン。五号よりこちらの方が筆感があって大人っぽいですね。36ポ仮名は活字の世界では非常にポピュラーで、数々の見出し明朝のベースとなってきた歴史を持ちます。確かに払いや毛筆の感じはありつつも、古くさい印象はない……この繊細さ、すごい。合成フォントは言わずもがなリュウミンと組み合わせ。ウエイトはW3、W4あたりが一番美しいです。あまり太すぎるのは使っていません。せっかく繊細な書体が野暮ったくなってしまうので。

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No.1 筑紫Aオールド明朝

フォントワークスの筑紫明朝体のオールドスタイル。Garamond系の英数字とバランスがよくなるように作られているだけあって、スタンダードなモダンセリフ書体との相性がいいですね。スッキリしてるけど筆感も残り、払いの曲線が優しくて上品。ファミリー展開しているので使い勝手も抜群。なにこれ、言うことないじゃん!素敵!

フォント使用例

以上、chocolate.的日本語フォントランキングでした〜!どうだったでしょうか?
ここで紹介した書体はほんの一例で、言わずもがなほかにも素敵な書体はいっぱいあります。丸ゴシック系とか今回触れられなかったし。このようにchocolate.では書体の持つディティールをしっかり活かせるようにこだわってデザインしています。次はもう少しニッチな書体の話したいなぁ。


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Written Byサイト管理者chocolate 管理者

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